はじめに

このブログはNPOちいおりトラストのメンバーが書いているものですが、あくまで個人のブログです。 ちいおりトラストとしてのブログではありません。 一応気を付けてはいますが、もし誰かの気分を害したりするようなことを書いてしまった場合、苦情などは僕個人に対して発してください。 
それより「ちいおり」って何って? ここで説明するよりホームページをご覧ください。
一応祖谷の自然に関して書いていくつもりだけど、けっこうそれ以外も・・・ 
plz follow the link if you want to see this blog in English

2011年4月23日土曜日

茅肥料

昔の茅の用途は屋根だけではなかった。 畑の肥料として、釜戸の燃料として、家畜の飼料としていろいろな面に使われていた。 屋根の古くなった茅も、畑に撒けば肥料になる。 しかし釜戸は使われなくなり、家畜は減少し、肥料は化学肥料などが購入できるようになった。 茅葺き屋根の減少と合わせて他の用途も減少していき、茅場は消えていった。 
クリックで拡大
祖谷では未だに肥料に茅を使っている。 写真は、茅を腐らせ肥料にするために地元の人達が作るコエグロと呼ばれるもの。 祖谷のあちこちで見かける。 この状態で時には数年置いておくそうだ。 

祖谷で未だに茅を肥料に使っているのは、肥料を購入するほど農産物を販売しようという動きがあまり無いおかげかもしれない。 元々傾斜が急で水田が作れず、土地もあまりよくないため蕎麦が特産品となっている場所、ここの農産物を売ろうという考えはあまり地元の人には馴染みがないのだろう。

しかしこの茅、実は肥料としてはかなり優れている。 一般の肥料に比べて大きな粒ができるから、土に混ぜられた茅は土壌に隙間を多く産む。 この隙間が水を含み、通気性をよくして植物の成長を促す。 さらには細かく切った茅で地面を覆うと、雨水を受け止め土壌の流出を大幅に減らす。 祖谷のように傾斜地で農業をしている場所では、この土壌流出防止の効果はとても大事。 

でも、茅を集めるのは一苦労。 売っている肥料を買うほうが楽なのは間違いない。 ならば、茅場・草原の生態系を維持するならば、その草原で取れる茅を肥料にして農家に売るのもいいかもしれない。 今なら有機栽培の農産物はその分高く売れる。 うまくやれば祖谷の農業の活性化もできないかなー。


被災地のペット達


にほんブログ村 環境ブログ 里地里山へ
にほんブログ村

2 件のコメント:

  1. 一度、便利さを覚えたら、昔には戻れないから、
    生態系を守るには「それでがお得だ」みたいな、
    経済を強調しないと上手くいかないだろうね。

    返信削除
  2. 経済を強調しないと上手くいかないのは間違いないんだけど、祖谷の場合農業で稼ごうという考えもないからまた厄介。 まぁおかげで昔ながらの農業の面影を強く残しているんだろうけどね。

    返信削除